医療制度改革 国民の自覚も求められる
■【主張】医療制度改革 国民の自覚も求められる

 国の財政を圧迫している医療費の増加を抑える「医療制度改革関連法」が先週成立した。今後さまざまな施策が実施されていく。高齢化社会の進行で、お年寄りにかかる医療費の伸びは避けられず、それを抑えるための改革により高齢者への負担が重くなる。

 厚生労働省の試算によれば、公的医療保険の保険給付費総額は改革を行わなかった場合、平成18年度の28兆円が、19年後には56兆円に倍増する。改革を実行した場合には、これを49兆円に抑えることができる−とする。

 果たしてこの試算通りに医療費を抑え込むことができるかどうか。

 厚労省や地方自治体の行政努力はもちろんのこと、国民一人一人が、医療費の急増を招かぬよう、自分自身の健康維持を自覚しなければならない。一方で負担が増える分、高齢の低所得者への配慮も必要になる。

 改革の一つは、老人病院と呼ばれる38万床の「療養病床」を6年かけて15万床まで減らす施策だ。高齢者が長期間入院する療養病床には、医療型(25万床)と介護型(13万床)がある。

 これを医療型一本にまとめ上げ、15万床にする。削減される23万床は、老人保健施設や有料老人ホームといった介護施設や在宅医療に移行させる。

 厚労省によれば、療養病床の削減で、6年後には給付費が介護保険で1000億円増えても、医療保険で4000億円抑えられるという。

 厚労省は、療養病床の入院患者の半数が入院治療は必要ないと判断している。だが、実際は高齢者がみなスムーズに新たな受け入れ先に移れるとはかぎらない。受け入れ先の見つからない“介護難民”をどう救済していくか。老人保健施設への適切な支援策などの制度づくりが今後、求められる。

 高齢者の窓口負担の増額、療養病床の入院費の全額自己負担、生活習慣病対策の充実…と改革は多岐にわたる。20年度からは現在の老人保健制度も廃止され、75歳以上と65〜74歳との2段階の高齢者医療制度に再編される。

 国民皆保険制度の導入後、高度成長の波に乗り、高齢者の医療費を無料化したこともあった。

 しかし、いまは築き上げた医療の質を損なわず、医療費の膨張を抑えなくてはならない時代なのである。

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【2006/06/20 05:00】 | 自然 生活 社会 医療 | トラックバック(1) | コメント(0)
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医療制度改革
構造改革の一環として行われる医療改革。臓器移植や認知症の保険適用が可能になる反面、高齢者負担の増加、リハビリへの援助削減など、患者の負担増も。医療制度改革について、ご意見、ニュースをお願いします。(関連:構造改革 共通テーマ【2006/06/23 18:31】
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