株価下落 好況に気が緩んでないか
■【主張】株価下落 好況に気が緩んでないか

 東京株式市場の日経平均株価が1万5000円を割り込んだ。欧米、アジアなどの市場も値を下げ、徐々に危機感も高まっている。

 まず、強調しておきたいのは、現在日本の実体経済に大きな不安材料は、ほとんど見当たらない点だ。企業収益は過去最高を更新中で、景気の拡大基調は続き、戦後最長だった「いざなぎ景気」超えさえ視野に入っている。

 にもかかわらず、米金融当局者の発言や原油価格、インフレ懸念、景気減速不安などが、そのつど材料とされ、株価は下げ続けている。

 昨年末の欧州中央銀行の利上げに続き、今年3月には日銀が量的緩和政策を解除した。世界的な低金利で、余ったお金が株式に向かっていた環境が変わったのは確かである。

 ただ、日本には、こうした“マネーの流れ”に加え、別の要因もあることを見逃してはならない。

 まず、ライブドア、大手監査法人、村上ファンドなどの不正が相次いで発覚し、一般投資家が「やはり株式市場は不公正」との警戒感を抱いた。これに小泉純一郎首相の任期切れを前に、改革推進力が衰えてきているとの見方が加わった。重要法案の先送り、「骨太の方針」決定の遅れ、腰が引けた消費税上げ論議などで政権のパワーが落ちたとの指摘は多い。

 これまでの株式市場の活況は改革期待に負うところが大きかっただけに、改革が失速しないか、という投資家の不安心理が醸成されているのだ。

 東京市場の現状は、昨年来の株価急騰の反動もあり、まだ危機的状況とはいえない。しかし、株価が下げ止まらぬようでは景気に悪影響を及ぼす。金融正常化のステップである日銀のゼロ金利解除も必要以上に遅れかねない。投資家の不安感を助長する要因の払拭(ふっしょく)が急務なのだ。

 7日には、証券取引の透明性向上をめざす金融商品取引法が成立した。同法の活用も含め、市場の信頼回復は最優先課題だ。ポスト小泉候補が明確な改革へのビジョンを示すに至っていないだけに、少なくとも、骨太の方針は、次期政権の改革継続を担保するものにならなければなるまい。

 好景気に気を緩めるようでは、市場に足をすくわれかねない。

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【2006/06/11 05:00】 | 経済 産業 資源 交通 | トラックバック(1) | コメント(0)
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6月7日、金融商品・取引を包括的に監督・規制する金融商品取引法が成立した。 経済最も前【2006/06/14 21:22】
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