覚醒剤密輸に死刑を
産経抄

 香港籍の女性が以前、上着にモルヒネ四千グラムを隠し持っていてシンガポールの税関に見つかった。この国の法律では、モルヒネが三十グラム未満で無期または二十年以上の懲役と十五打の鞭(むち)打ち刑となる。それ以上は死刑だ。香港女性は「それ以上」だから、死刑台の露と消えた。

▼ 大アマの日本と違って、大麻でも五百グラム以上で死刑だから、日本の大女優の息子のように再犯を繰り返すという贅沢(ぜいたく)はできない。それが韓国籍の男と暴力団組長らが北朝鮮から密輸した覚醒(かくせい)剤は、なんと一度に数百キロもある。北ルートを追跡していた警察は、ブツを運んできた北の貨物船をついに押さえた。

▼ 犯人の韓国籍の男は北への盗難車輸出で捕まり、出所したばかりだ。日本の刑罰はゆるいから、捕まってもすぐに出て今度は覚醒剤だ。さて、どうしてくれよう。シンガポールなら命がいくつあっても足りない。当然、北朝鮮の送り手も摘発しなければならない。

▼ 北朝鮮の主力産業は麻薬、偽札、拉致の三つだ。このうち偽札は米国が証拠をつかんで、マカオの銀行に制裁を発動した。凍結された北朝鮮口座は実際には五十三億円にのぼるという。これが金正日ファミリーに直結する口座だったらしく、あちこちで悲鳴が聞こえる。

▼ 警察は北朝鮮や朝鮮総連が嫌う「法の厳格な適用」を断固として行うべきだろう。新潟にやってくる万景峰号の捜索も、当然だ。今回の一件は家宅捜索の十分な理由になる。いつまでも、北を銅像建設とミサイルだけの先進国にしておくことはない。

▼ それにしても、北からの密輸とは日本の暴力団も地に落ちた。もはや任侠(にんきょう)道などあるはずもないか。これが街に流れて日本の若者を蝕(むしば)んでいる。二重、三重にその罪は深い。

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【2006/05/13 05:00】 | 事件 犯罪 司法 | トラックバック(0) | コメント(0)
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