延命中止措置 早急に指針づくりをせよ
■【主張】延命中止措置 早急に指針づくりをせよ

 富山県の市民病院で、外科部長が人工呼吸器を外したため、五年間に七人もの末期患者が相次いで死亡していた。外科部長は「患者のためにやった」「尊厳死だ」と病院に説明しているが、日本には安楽死や尊厳死の法律もなければ、指針やルールもない。

 安楽死とは、終末期医療のなかで患者の苦痛を取り除くため、医師が死期を早める行為だ。東海大病院の安楽死事件で横浜地裁判決(殺人で有罪確定)は、安楽死を薬物で意図的に死を早める「積極的安楽死」と、人工呼吸器を外すなどして延命治療を中止する「消極的安楽死」に分類した。患者が事前に治療を拒否する尊厳死も消極的安楽死に入るとされる。

 問題の外科部長は人工呼吸器を外して治療行為をやめ、「尊厳死だ」と言っていることから、消極的安楽死とみられる。この消極的安楽死がやむを得ない要件として、横浜地裁判決は(1)患者の病気が治癒不可能で死が避けられない(2)患者本人か家族の意思表示がある−など三つの要件をあげている。

 外科部長の行為はこれらの要件をどこまで満たしていたのか。外科部長は「同意を得ている」と話しているというが、患者や家族の意思表示は、死の切迫という特殊な状況下で、担当医と患者、家族という限られた中で示され、判断や確認は難しい。

 それに外科部長は部下や病院側に何の相談や報告もなく、単独で患者の生命をつなぐ人工呼吸器を外している。富山県警が殺人容疑で捜査に乗り出しているが、チーム医療が重視される現在の医療の観点からは許されない。

 オランダやベルギーでは四年前に、米国オレゴン州では九年前に、安楽死法が施行されている。日本では安楽死させた医者は殺人罪や嘱託殺人に問われてしまう。

 厚生労働省の研究班は、平成十九年度をめどに終末期医療における患者の意思の確認方法や延命治療の在り方についての報告書を作成中だ。尊厳死の法制化では昨年、超党派の国会議員連盟が結成されている。

 だが、いずれも活動が緩慢で具体策に乏しい。医師が末期患者をその苦痛から救うためには殺人罪と明確に区別できる新たな法律の制定や指針、ルールづくりが急務であろう。

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【2006/03/27 05:00】 | 自然 生活 社会 医療 | トラックバック(0) | コメント(1)
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コメント
たびたびで恐縮ですがご招待です。
「富山の射水市民病院のニュース」に関するクイズを作りました。
「尊厳死と安楽死。ふたつの違いがわかりますか?」という記事です。
問題は、状況を設定し、もしあなたが医師だとしたら、どんな行動をとるかを問います。
回答の選択肢が5つあります。
答えは→ http://q-q.at.webry.info/200603/article_94.html
他にも500問ほどのクイズがあります。退屈で死にそうな折りにどうぞ。
(ご迷惑でしたら、お手数ですがコメント、TBの削除をお願いします)
【2006/03/28 10:36】 URL | 素町人@思案橋 #-[ 編集]
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