【主張】ウナギ偽装 どこまで消費者欺くのか

 中国産ウナギを人気の高い国産ブランドに偽装表示して出荷していた水産物輸出入業者と、そのウナギを販売していた水産業者が農林水産省から日本農林規格法に基づく改善を指示された。警察当局も社長や社員から事情聴取を始めた。

 食品の偽装表示は消費者に対する裏切り行為で、食の安全性にかかわる重大な問題だ。

 2社とも偽装を認めている。行政は徹底して食品業界を指導する必要がある。警察の捜査により全容を解明し、犯罪行為が明白になれば、厳しく処罰することを求めたい。

 2社は「魚秀」(大阪市)と水産業最大手のマルハニチロホールディングスの子会社「神港魚類」(神戸市)だ。

 偽装の手口は巧妙だった。魚秀は中国産ウナギのかば焼きに実在しない愛知県岡崎市一色町の架空会社を製造者としたラベルを張っていた。有名な「一色ウナギ」の産地の愛知県一色町と紛らわしい地名を使用していた。

 しかも魚秀の中谷彰宏社長は、神港魚類の担当社員に口止め工作とみられる現金1000万円を渡していた。農水省の調査を受けた後には、担当社員は魚秀の幹部から「全部(偽装の責任を)かぶってくれ」「1億円出すから」と重ねて要請されていたともいう。

 中谷社長は「(殺虫剤が混入した)中国製冷凍ギョーザ事件で中国産ウナギの売れ行きが不振になり、数億円分の中国産ウナギの在庫をさばきたかった」と偽装表示の動機を語っている。

 食の不正は後を絶たない。昨年1月に不二家で消費期限切れの牛乳の使用が発覚してから、「白い恋人」と続き、10月には安い豚肉や鶏肉を混ぜたひき肉を「牛肉100%」と偽って販売、不当競争防止法違反(虚偽表示)容疑で北海道苫小牧市の「ミートホープ」の元社長らが逮捕された。

 「赤福餅」の製造日偽装もあり、大阪の料亭「船場吉兆」も牛肉の産地偽装や料理の使い回しが発覚し、大きな非難を受けた。

 今回はそうした偽装が報道され、批判を浴びた後のことで、食品業者としての自覚が全く感じられない。その意味でも極めて悪質と言わざるを得ない。

 食品業界には今一度、不正をなくす決意を求めたい。国も不正を許さない体制をしっかりと整備すべきである。

20/06/27 05:05

【主張】ウナギ偽装 どこまで消費者欺くのか

テーマ:産経新聞 - ジャンル:ニュース

【2008/06/27 05:00】 | 事件 犯罪 司法 | トラックバック(0) | コメント(0)
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