【産経抄】ミツバチ集団失踪事件
【産経抄】

 この社会にナゾは多い。継体天皇陵である可能性がさらに強まった大阪の今城塚古墳で、石室の土台の石組みは見つかったが、石室そのものはなかった。どこへ消えたのかわからない。全国で起きる半鐘などの金属盗も実態はほとんどナゾのままだ。

▼ だが、もっとミステリアスな思いにさせられたのは、米国でミツバチが相次いで集団失踪(しっそう)している「事件」だ。優れた帰巣能力を持つミツバチたちが巣箱に戻ってこない。米紙によれば、すでに24の州で確認されているという。原因はまったく分かっていない。

▼ ハチミツを作る養蜂(ようほう)業者はもちろんお手上げであろう。それよりも打撃が予想されるのは、アーモンドやブルーベリーの生産農家だという。ミツバチに受粉作業を頼っている農作物である。ミツバチたちが消えてしまっては、実をつけようがなくなるからである。

▼ 自らは移動できない植物が、昆虫たちに花のミツを提供する代わりに受粉を手伝ってもらう。どちらが思いついたのか知らないが、感嘆するような優れたシステムである。人間の方は、このシステムをうまく利用し、ハチミツや果物を安定的に手に入れているのだ。

▼ 特にきまじめに働くミツバチは、人間にとって貴重な労働力である。それだけに失踪の原因として、ハチミツ集めに過剰なノルマを課せられたための「過労死」という説もあるらしい。ストレスから帰巣器官がおかしくなったか「集団家出」したとの見方もあるようだ。

▼ どれも的はずれになることを祈りたい仮説だ。だが、もし当たっているのなら「人ごと」には思えない。今の人間社会を色濃く反映した「事件」のような気もしてくる。自然のシステムや営みに対する畏敬や感謝を忘れつつある社会である。

(2007/03/04 06:55)

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【2007/03/04 05:00】 | 自然 生活 社会 医療 | トラックバック(0) | コメント(1)
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コメント
▼o・_・o▼コンニチワン♪
蜂が巣に戻らないとハチミツが取れないわけだから、ハチミツが高騰してしまうんじゃないかな。コーヒーに蜂蜜を入れて飲んでる物にとっては、一大事です。
【2007/06/05 19:01】 URL | むっち #l7kM9kro[ 編集]
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