【正論】聖学院大学大学院教授・真野輝彦 大学の官民格差解消は平等な競争で
■ 国公立は資産や補助金を明確化せよ ≪フローとストックの格差≫ 大学入試が本番を迎えている。幼稚園から始まった少子化の影響は大学教育に達し、企業にも波及している。大学の定員が入学希望者を上回る状況の下で、国公私立を問わず大学間の学生争奪戦は激しさを増している。電車内の入学案内広告の多さがそのことを示している。 少子化の進行に加え、海外留学の増加や外国大学の日本進出の動きも始まっている。今後、海外からの留学生獲得を含む大学間競争がさらに激化することは必然であり、既に経営破綻(はたん)した大学もある。大学の質的向上のためには競争は歓迎すべきことである。大学相互の切磋琢磨(せっさたくま)が、資源小国に不可欠な持続的な質の向上に繋(つな)がるからである。しかし健全な競争のためには競争条件が同一であること(イコール・フッティング)が必要である。 国公立大学が独立行政法人となったことで、規制面など公私格差の改善も見られるが、国・私大学間にはまだ大きな格差が存在している。その象徴が国の補助金格差である。学生総数の4分の3は私学が支えているのだが、学生1人当たりの国・私大学の比率は16対1である。 この格差は会計年度別のフロー面の補助金についてであるが、格差を拡大させているもう一つの要素がある。それは国公立大学が独立行政法人化された時点で、従来使用していた土地、建物、設備などを国から無償でもらい受けていることである。私立大学は自ら調達した資金で土地を購入し、教育設備を建造していることとのギャップは極めて大きい。 ≪分与資産を貸借対照表に≫ 郵政民営化の時にも同じような無償の資産分与が行われ、民間の銀行と同一競争条件という原則に反すると問題になった。郵政問題の救いは、民営化が完了する時点で、国が保有する持ち分を市場売却すれば、分与した資産がキャッシュ化して国庫に戻されることである。しかしその間、分与資産をタダで使用しているのが実情なのである。同じ競争条件にするために、国(国民)の資産を使用することにたいする賃借料を支払うこと、民営化までの期限を短くする必要があるのだが、実行されていない(昨年2月8日筆者正論=郵貯民営化の課題参照)。 国立大学法人の場合はこのような国の持ち分売却が想定されていない。資産面での国・私格差が解消されることも、国(国民)の資産減少が復元されることもない。 今後の補助金削減を見越して公・私大学の基金つくりが盛んであり、そのための寄付税制の改革も叫ばれている。しかし国立大学法人は運営が苦しくなると、このタダでもらい受けた資産を市場に売却し基金に組み入れる可能性も否定できないのである。 このような国・私格差を解消するためには、独立行政法人がもらい受けた資産の時価評価額を資産項目に、対応する金額を国からの負債としてバランス・シートに計上して国との貸借関係を明確にし、少なくとも地代、賃借料を国庫に納入する必要がある。 国立大学法人に限らず官の資産管理は近代的貸借対照表の概念が薄く、大福帳式のキャッシュ第一主義である。背後に公会計の単年度主義がある。税収も借金も丼勘定であり、現金の帳尻合わせが中心なのである。このため借金のリスク管理が甘くなりがちになる。地方自治体の破綻の原因はここにあり、中央政府財政も例外ではない。この負債勘定の意識の稀薄さが、公的部門のフローとストック両面の無駄遣いに繋がっている。小さい政府への改革はこの無駄を省くことにある。 ≪同一条件で教育の質向上≫ 補助金を公平化すると、良い研究、良い教育ができなくなるとの反論もあろう。しかし良い商品が高いように、良い大学の授業料は相対的に高いはずである。日本は市場経済の国であり、教育にも需給関係が反映されて当然である。そのことが教育の質の高さを反映することになる。逆に、だからこそ同一条件での競争が必要なのである。 質の高い教育の費用を高くすれば、低所得者子弟の排除に繋がる。家計所得の格差を教育に反映させてはならないとの意見もあろう。しかし真に必要な学生には個人支援で対応すべきで、大学への支援とは区別して考えるべきである。 教育問題と資本主義の象徴である金融とは同一に論じられないことは当然である。また国立大学法人化は民営化が目的ではないとの反論もあろう。しかし国・私大学が現実に競合している以上、競争条件は同一でなければならないのである。(まの てるひこ) (2007/02/25 05:03) テーマ:産經新聞を読みましょう - ジャンル:ニュース ![]() |
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はじめまして。こんにちは!
素敵なブログですね。 更新楽しみにしています。 また遊びにきますね。 ![]() |
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朝日新聞を読んでいると馬鹿になりますよ。
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