【主張】教育再生会議 抜本改革で脱戦後めざせ
【主張】教育再生会議 抜本改革で脱戦後めざせ

 公教育の再生をめざす安倍晋三首相直属の諮問機関「教育再生会議」のメンバーが決まった。ノーベル賞受賞者や財界の重鎮、元文部科学事務次官、中央教育審議会の委員、スポーツコメンテーターら多彩な顔ぶれだ。

 極力、安倍カラーを抑えようとしたようにみえる。戦後教育のしがらみにとらわれがちな国立大学教育学部などから1人も選ばれなかったことは、評価されてよいだろう。

 会議には、安倍首相をはじめ、塩崎恭久官房長官、伊吹文明文科相が原則として出席し、山谷えり子首相補佐官が事務局長を務める。経済財政諮問会議と似た位置づけだが、文科省や中教審の意向も、伊吹文科相らを通じて十分に反映されるだろう。省益などにこだわらず、官邸主導による迅速な決定が望まれる。

 会議ではまず、学力向上や学校評価制、教員の質向上などの問題が協議される。来春には全国一斉学力テストが行われ、学校の自己評価も始まっている。問題は、それらをいかに実効ある制度として機能させるかだ。各学校の学力水準を比較・分析し、それを国の学校評価に生かす方法などが検討されることになろう。

 教員免許更新制についても、7月の中教審答申で、10年ごとに講習を受けないと免許が失効する仕組みを導入すべきだとする方向性が示されている。だが、それは指導力不足教員、いわゆる「問題教師」を教壇から排除することを目的としたものではない。問題教師の排除を含めたドラスティックな制度改革が必要である。

 安倍首相が掲げる大学の9月入学とそれまでの半年間の奉仕活動や、教育バウチャー(利用券)制なども、真剣に検討してほしい。特に、奉仕活動は、小渕恵三、森喜朗元首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」で提言されながら、内閣法制局からブレーキがかかり、教育現場で徹底されなかった経緯があり、重要な再検討課題だ。

 公教育の再生には、学力に加え、規範意識の育成も大切である。最近、小学生が教師に手をかけたりする事件が増えている。大人と子供を対等に扱おうとする誤った教育観の影響ともいえる。戦後教育のゆがみを正す役割を、教育再生会議に期待したい。

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【2006/10/12 05:00】 | 教育 学問 | トラックバック(0) | コメント(1)
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コメント
先ほど教育再生会議に対するコメントをお送りしましたが、その中で1点間違いがありましたので
差し換え願います。


教育基本法の原点に戻れ!

 いま、国会では教育基本法の改訂議論が終盤を迎えている。しかし、現在、日本が抱えている「いじめ、偏差値偏重、必修漏れ、公聴会でのやらせ質問、高教育費、予備校主導」などの教育問題が、今議論されている法案のもとで解決するとは思われない。というのは、現在の教育問題の本質は、職権の乱用と既得権者の保身からきているからである。残念ながら、職権の乱用と既得権者の保身の行き過ぎをチェックできるのは、法治国家としての現日本国憲法が保障する主権在民、基本的人権、立法府・行政府・司法府の3権分立の遵守しかない。この日本国憲法の精神に乗っ取り、教育の目的を明示したのが、現教育基本法であり、この原点に戻って真剣に教育改革を考えれば、いまある教育問題の全ては解決する。真っ先に取り組まなければならないことは、憲法の原点である納税者のモニター機能を発揮させる工夫である。
 私は、昭和43年に米国に留学して、昭和55年に帰国し、鹿児島大学に奉職した。帰国して、一番驚いたことは、かって日陰の存在だった予備校の躍進振りだ。公立高校は完全に予備校の傘下に入り、情報は予備校からもらって受験対応しており、高校では修学旅行もなかった。また、離島からは、子供を本土で教育するために、母親が一緒に本土に出てくるため、高教育費が問題となっていた。次に驚いたことは、国立大学の1学生に投資される経費は年間400万円(200万円は税金、残りは自己負担)といわれるが、学生の間には留年不感症や五月病が普通で、納税者は自ら納める多額の税金に無感覚となり、多くの学生は学ぶ目的もなく、アルバイトが授業を優先し、大学がレジャーランド化していたことである。
  国立系大学が同一世代の特権階級の育成に携わる時代は過ぎ、適性を重視する生涯教育に本格的に取り組む時代になった。私が考える偏差値・学閥・癒着等による弊害のない国際化時代の理想的な国立系大学の体制は次の諸点に集約される。
 1)入学資格を高校卒業後2年間の社会体験とする。2)学部教育に従事しない大学院大学(基礎科学教育・研究中心)と学部教育に従事し、地方の特徴を生かせる大学院大学(応用科学教育・研究中心)に分ける。しかし、モラルが特に必要とされる医学、法学、経営学、教育学等は大学院の対象とする。3)国立系大学システムに統合し、取得単位は、全て時間・空間を問わず互換性を持ち、学位の授与は1元化して行なう。従って、学生はいつでも自分の希望する大学に入学し、落第・休学・転学部・転学・卒業・修了でき、入学式も卒業式もなくす。各大学には学生寮を整備する。アルバイトをしなくてもいいように、免除のない無利子の教育ローン制度を設ける。4)同一大学内での昇任人事並びに奨学金免除のようなこれまでの教員に対する福利厚生制度は全て撤廃する。ただし、何処へ赴任しても適当な住環境を整える必要はある。また、教員定員の10-30%は外国人であることが望ましい。5)産官学協力の効果を発揮するために、大学の建物等の施設は民間及び地方自治体の資本を中心に、癒着につながりやすい研究費は文科省予算を中心にする。また、ボランテイア団体との連携を強化し、管理のための管理から、機能を生かす管理への脱皮を図る。これで、適材適所による国際競争力の強化も図れ、国民の教育費負担も少なくなり、少子化にも歯止めがかかる。学期ごとに民族大移動が、国中でおこり、風通しが良くなる。如何なものであろうか?
                         (鹿児島大学名誉教授 松田惠明)
【2006/11/11 21:14】 URL | 松田惠明 #-[ 編集]
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